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グランプリ賞

2013.01.10

ブラジル映画祭グランプリ発表!

2012.10.16

『センチメンタルなピエロの旅』が、ブラジルのアカデミー賞と言われるブラジル映画大賞で圧勝!!!

2012.10.16

『サッカーに裏切られた天才、エレーノ』の、エレーノについての予備知識

2012.10.10

『バイアォンに愛を込めて』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.10

『エリス・レジーナ 〜ブラジル史上最高の歌手〜』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.10

『ホチュアー〜笑いの遣いのインディオ〜』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.10

『サッカーに裏切られた天才、エレーノ』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.10

『センチメンタルなピエロの旅』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.10

『トゥー・ラビッツ』お客様からの感想【まとめ】

2012.10.07

作品選びの参考に!!! 『サッカーに裏切られた天才、エレーノ』についての感想を紹介

2012.10.07

作品選びの参考に!!! 初日にいただいたTwitter上の感想を拾い読み

2012.10.07

作品選びの参考に!!! 初日にいただいた感想を紹介

2012.10.06

字幕翻訳者からのコメント:『サッカーに裏切られた天才、エレーノ』

2012.10.04

「ブラジル映画祭グランプリ」の選出方法と投票のお願い

2012.10.02

字幕翻訳者からのコメント:『センチメンタルなピエロの旅』

2012.09.28

字幕翻訳者からのコメント:『ホチュアー~笑いの遣いのインディオ~』

2012.09.27

字幕翻訳者からのコメント:『エリス・レジーナ 〜ブラジル史上最高の歌手〜』

2012.09.26

字幕翻訳者からのコメント:『バイアォンに愛を込めて』

2012.09.25

字幕翻訳者からのコメント:『トゥー・ラビッツ』

2012.09.25

セルトン・メロ(ブラジルを代表する若手実力派俳優で、初監督作『センチメンタルなピエロな旅』が今年のブラジル映画祭で上映される)からのブラジル映画祭2012への、独占コメントを頂きました!!!

2012.09.20

『孤独なツバメたち〜デカセギの子どもに生まれて〜』 の 中村真夕 監督にインタビュー

2012.09.18

『茜色の約束 ~サンバ Do 金魚~』の 塩崎祥平 監督にインタビュー

2012.08.04

あなたが審査員! ブラジル映画祭グランプリ決定!

2012.09.26

字幕翻訳者からのコメント:『バイアォンに愛を込めて』

   昨日に続き、字幕を担当して下さった翻訳者の方からいただいた、映画に対するコメントを紹介します。本日は、『バイアォンに愛を込めて』を担当して下さった高崎文子さんからのコメントです。バイアォンという、ブラジル音楽好きじゃなければなかなか出会うことがない音楽をテーマにした作品を、愛を込めて翻訳していただきました。
   ありがとうございます! 高崎さん!!

 

 

●ブラジル映画祭2012の字幕制作は、日本映像翻訳アカデミーに依頼しており、翻訳者の皆様は、同学校の卒業生でもあります。
日本映像翻訳アカデミーhttp://www.jvtacademy.com/

   また、明日は中原仁さんによる、本作『バイアォンに愛を込めて』ともう1つの音楽ドキュメンタリー作品『エリス・レジーナ〜ブラジル史上最高の歌手〜』の予習会が渋谷にて開催されます。場所は渋谷・Bar Blen Blen Blenです。詳細はこちらをご覧下さい。毎年、混み合いますので、ご予約を推奨致します。
   http://2012.cinemabrasil.info/news/view/pre-event-with-jim-nakahara-2

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『バイアォンに愛を込めて』 予告編トレーラー

『バイアォンに愛を込めて』について:高崎文子(日本語字幕翻訳)

   冒頭から自分の無知をさらすのは非常に恥ずかしいのだが、私はこの映画に出会うまで、バイアォンという音楽を知らなかった。ブラジル音楽と言えばサンバとボサノバだよね、という程度の知識しか持たない私が、この作品に登場する数々の曲を昔から知っているように感じたのはなぜだろう。懐かしさを覚える曲ばかりなのだ。思わず口ずさんでしまうメロディーも、自然と体を動かしたくなるリズムも、もちろんバイアォンの魅力で、この作品を翻訳していた時間は実に楽しかったけれど、何といってもウンベルト・テイシェイラの詩の世界に私は魅了されてしまった。


左:ウンベルト・テイシェイラ 右:ルイス・ゴンザーガ

   この作品中で、あるアーティスト(ネタばれを避けるが、実はこの人物は私の中学時代のアイドルだ。彼の発言を翻訳しながら、再会できたような気がしてドキドキしてしまった)が、ブラジル北東部と自国の人々に共通点を見出していた。それと全く同じことを、私も感じたのだ。つまり、日本でもそう遠くない時代に、不作などで泣く泣く故郷を離れて都会に出稼ぎにきた東北地方出身の人々が大勢いたし、今でも東日本大震災や原発事故の影響でやむにやまれず故郷を後にした人たちがいる。彼らは慣れ親しんだ故郷の風景や別れた人々を思い、まさにウンベルトの描いた心情を抱きながら都会で生活しているはずだ。ベタな感想だが、私は石川啄木の短歌「ふるさとの訛りなつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」を思い出してしまった。故郷に対する人の思いは、まさに時代も国も文化も超えた共通の感情で、だからこそブラジルに行ったこともない私の心にさえ、ウンベルトの詩が強く響いたのだと思う。

 


左:マルガリーダ
(ウンベルトの妻、デニーゼの母) 右:デニーゼ

   また、この作品の軸となる父と娘の物語にもぜひ注目していただきたい。ウンベルトの娘であり、父の期待に背いて女優となったデニーゼの言葉「父は近くて遠い存在」には、きっと日本の“娘たち”も思い当たるところがあるはずだ。昔堅気の厳格な父親の顔と、“緑色の目をした女性”に弱い男の顔を持つウンベルト。彼の実像に迫ろうとするデニーゼの旅は、ブラジルの美しい景色や文化を背景に、有名無名の人々との出会いや再会を重ねながら進んでいく。そこで常に聞こえてくるのはバイアォンのリズムだ。彼女の旅の行方は、胸が締め付けられるほど切ない!